後藤伸の日本文学紹介

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【後藤伸おすすめ】ジャンル不問!なんでもアリの伊坂ワールド、領域展開!? 21世紀を代表するエンターテイメント作家・伊坂幸太郎!きっとあなたの大好きな一冊に出会えるはず!?

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21世紀の幕開けとともにミステリー作家としてデビューした、伊坂幸太郎。書店やインターネットで彼の名を見たことがある!という方も多いのではないでしょうか?

今回は、数多くの作品が映画化、漫画化されるだけではなく、ミュージシャンの斉藤和義をはじめ、アーティストとの親交も深い、そんな現在の日本の小説シーンを代表する、伊坂幸太郎さんをご紹介します。




伊坂幸太郎とは?華々しい実績とともにご紹介】

伊坂幸太郎さんは、1971年生まれ、千葉県松戸市出身。東北大学法学部に入学して以来、長年宮城県仙台市に在住の小説家です。映画化や漫画化された作品も数多く、書店に行けば伊坂幸太郎が必ず目に入ること間違いなしと言っても過言ではないほどの、人気作家さんです。

まずはそんな伊坂さんの受賞歴をご紹介します。

 

1996年 第13回サントリーミステリー大賞佳作(『悪党たちが目にしみる』、大幅に改訂されて『陽気なギャングが地球を回す』として祥伝社から出版)

 

2000年 第5回新潮ミステリー倶楽部賞(『オーデュボンの祈り』)

 

2004年 第25回吉川英治文学新人賞(『アヒルと鴨のコインロッカー』)

 

2004年 第57回日本推理作家協会賞 短編部門(『死神の精度』)

 

2006年 平成17年度宮城県芸術選奨 文芸(小説)部門

 

2008年 第21回山本周五郎賞、第5回本屋大賞(『ゴールデンスランバー』)

 

2020年 第33回柴田錬三郎賞(『逆ソクラテス』)

 

伊坂幸太郎公式サイトhttps://isakakotaro.ctbctb.com/profile/?より引用)



いかがでしょうか?最も知名度の高い芥川賞直木賞こそ受賞してはいませんが、数多くの賞を獲得していますね。

映画や漫画、舞台など、メディアミックス作品も多い、正真正銘の人気作家であることがわかりますね。小説家として優れた地位にいる伊坂幸太郎ですが、いったいどんな私生活を送ってきたのでしょうか。

次章では、伊坂幸太郎さんにまつわる雑学をご紹介します。

 

伊坂幸太郎の素顔!?地元・仙台への愛着 伊坂幸太郎、知る人ぞ知るトリビアをご紹介】

メディアへの露出が少ないことでも知られる伊坂幸太郎さんですが、エッセイやインタビューでは意外と私生活について語っていることもあります。いくつかのエッセイなどによると、どうやら伊坂さんは、仙台市内のカフェをはしごして小説を執筆しているそうです。ファンにとっては遭遇のチャンスですから、耳寄り情報ですね。

 

また、文豪や売れている作家さんにイメージされがちな酒やタバコについてですが、意外にも伊坂幸太郎さんはタバコは吸わず、お酒もそれほど飲まないんだそうです。健康ブームが注目されがちな現在の日本のスタイルにあった小説家だということも、人気の秘密なのかもしれませんね。

 

また、東日本大震災のあとには、地元・仙台へ自分も何かできることはないかということで、『アヒルと鴨のコインロッカー』、『ゴールデンスランバー』でもチームを組んだ映画監督・中村義洋によって、『ポテチ』が仙台ロケで制作されました。

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https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9D%E3%83%86%E3%83%81-DVD-%E6%BF%B1%E7%94%B0%E5%B2%B3/dp/B008OFXER4

もちろん、主題歌も親交の深いシンガーソングライター・斉藤和義が担当しました。

さて、いよいよ次章で作品についてご紹介します。



【全ての世代に愛されるエンタメ作家・伊坂幸太郎の隠れた名作小説をご紹介】

今をときめく俳優、堺雅人さんをはじめ、多くの有名俳優が出演したこともあって、大人気作になった『ゴールデンスランバー』や多部未華子さんと故・三浦春馬さんが主演を務めた『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』など、映像化、漫画化など、メディアミックスされた作品の多い伊坂幸太郎さんですが、そんな彼の隠れた名作をご紹介します。

まずはデビュー作、『オーデュボンの祈り』です。

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それでは早速あらすじの紹介です。

 

コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気づくと見知らぬ島にいた。

その島の名前は「萩島」。

江戸以来外界から遮断されている荻島には、妙な人間ばかりが住んでいた。

嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。

だが、次の日カカシはバラバラにされ殺される。

未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止できなかったのか?

 

(単行本2000年新潮社、文庫2003年新潮社)

 

(伊坂幸太郎公式サイト

isakakotaro.ctbctb.com

より引用)

 

今でこそ超人気作家の伊坂幸太郎さんですが、実はデビュー当時は今ほどの人気はありませんでした。実際、デビュー作『オーデュボンの祈り』の単行本は絶版になってしまいました。しかしその後、『ラッシュライフ』などで注目を集めたことをきっかけに、『オーデュボンの祈り』は大幅に加筆・修正が施され、文庫化されました。絶版になった単行本と、現在流通している文庫本とは文章が違っている、ということになりますね。気になる方は、国立国会図書館で単行本を閲覧できるので、チェックしてみてください。

クライマックスにどんでん返しがいくつも待ち受けているのですが、ネタバレになってしまうので詳しく語れないのが残念ですが、ジャズ好きでもある伊坂幸太郎らしさが全開の、すかっと爽快な読後感を味わえること間違いなしです!

 

次に紹介するのは、切なくて優しい、SFテイストの連作短編集、『終末のフール』です。

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忘れられがちな大切なことを教えてくれる人間讃歌の物語、『終末のフール』のあらすじを早速紹介します。

 

八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。

自分の言動が原因で息子が自殺したと思い込む父親(「終末のフール」)

長らく子宝に恵まれなかった夫婦に子供ができ、3年の命と知りながら産むべきか悩む夫(「太陽のシール」)

妹を死に追いやった男を殺しに行く兄弟(「籠城のビール」)

世紀末となっても黙々と練習を続けるボクサー(「鋼鉄のウール」)

落ちてくる小惑星を望遠鏡で間近に見られると興奮する天体オタク(「天体のヨール」)

来るべき大洪水に備えて櫓を作る老大工(「深海のポール」)などで構成される短編連作集。

はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?今日を生きることの意味を知る物語。

 

(

isakakotaro.ctbctb.com

より引用)

 

どの短編も、本当は不安で不安でたまらないはずの主人公たちが、それでも1日1日を懸命に、丁寧に生きようとしている姿が描かれていて、そのひたむきさとユーモアに、筆者は何度も涙ぐんでしまいました。

どんな状況に置かれても、人はささやかな楽しみや喜びを見出せる。どんなにつらくても、生きてればきっと前を向いて進める。そんな勇気とエールをもらえる小説です。しんどいとき、辛いとき、悩みがあるとき、『終末のフール』を読んでみてください。きっと前を向くヒントが見つかるはずです!



【まとめ】

さて、いかがだったでしょうか?

超人気作家・伊坂幸太郎の小説の隠れた魅力が少しでも伝わったでしょうか?

今回紹介した作品のほかにも、すばらしい作品を数多く発表している作家さんです。

普段、小説を読む人も読まない人も、どんな年齢の方でも楽しんでいただける極上のストーリテラー、伊坂幸太郎。きっとあなたもお気に入りの一冊に巡り会えるはず!?